登録販売者試験はどんな試験か
登録販売者試験は、一般用医薬品(第二類・第三類医薬品)を販売できる資格を得るための試験です。厚生労働省が公表する「試験問題の作成に関する手引き」を出題範囲として、都道府県が年 1 回実施します。実際には複数の都道府県がブロックを組んで共通問題を使うため、受験地によって問題そのものが違います。受験資格に学歴や実務経験の要件はなく、住所地以外の都道府県でも受験できるため、日程が重ならない複数の地域で受ける人もいます。
形式は全 120 問のマークシート択一式、試験時間は 240 分。1 問あたり 2 分の計算なので、時間が足りなくなる試験ではありません。差がつくのは知識量、とくに成分名と法規の正確さです。
5 つの章と出題数
手引きは 5 章で構成され、各章の出題数は固定されています。
| 章 | 内容 | 出題数 |
|---|---|---|
| 第 1 章 | 医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 20 問 |
| 第 2 章 | 人体の働きと医薬品 | 20 問 |
| 第 3 章 | 主な医薬品とその作用 | 40 問 |
| 第 4 章 | 薬事に関する法規・制度 | 20 問 |
| 第 5 章 | 医薬品の適正使用・安全対策 | 20 問 |
第 3 章だけが 40 問で、全体の 3 分の 1 を占めます。かぜ薬・胃腸薬・漢方など「何の成分がどう効き、どんな副作用があり、誰に使ってはいけないか」を問う章で、暗記量が最も多い章でもあります。
合格基準は「総得点 7 割」と「各章の足切り」の二段構え
合格には次の 2 つを同時に満たす必要があります。
- 総出題数の 7 割以上(120 問中 84 問以上)の正答
- 各章で、都道府県が定める割合(3.5 割または 4 割)以上の正答
つまり得意な章で稼いでも、苦手な章で足切り(20 問の章なら 7 問または 8 問未満、第 3 章なら 14 問または 16 問未満)にかかると不合格になります。足切りの割合は都道府県によって異なるので、受験地の実施要領で必ず確認してください。厳しい方の 4 割に合わせて「どの章も 8 問以上、第 3 章は 16 問以上」を目標にしておけば、どこで受けても安全側です。
令和 8 年 4 月の手引き改訂で変わった点
手引きは数年おきに改訂され、直近の改訂は令和 8 年 4 月です。古い市販テキストで勉強すると、改訂前の記述で覚えてしまうリスクがあるため、主な変更点を押さえておきましょう。
- 第 4 章(法規): 濫用のおそれのある医薬品が「指定濫用防止医薬品」として法律上の位置づけになり、8 つの指定成分・販売数量の上限・18 歳未満への販売制限が明文化された。要指導医薬品のうち薬剤師の対面販売が特に必要なものが「特定要指導医薬品」として規定された。要指導医薬品の情報提供は「対面等」(オンラインを含む)に緩和され、特定販売の対象も広がった
- 第 1 章: 医薬品副作用被害救済制度の創設年(1980 年)など、制度史の記述が整理された
- 第 3 章: 栄養機能食品の対象成分に n-3 系脂肪酸・カリウム・ビタミン K が追加され、β-カロテンが外れた
- 第 5 章: スイッチ OTC は承認後に要指導医薬品に指定されること、指定濫用防止医薬品の「過量服用しないこと」の表示が加わった
改訂点は「新しく書き加えられた箇所」なので、作問者にとっても出題しやすいテーマです。第 4 章は 20 問中の数問が改訂箇所から出ても不思議ではないため、法規を後回しにする学習計画は避けましょう。
学習計画を立てるときの目安
- 総得点 7 割は「全体の 3 割は落としてよい」という意味でもある。満点を狙う勉強ではなく、各章で足切りを確実に超えた上で、第 3 章と第 4 章を伸ばすのが効率的
- 過去問は都道府県(ブロック)ごとに公開されている。手引きの記述がそのまま正誤問題になる形式なので、原文の言い回しに慣れておくと読み違いが減る
- 手引きの改訂後は、改訂前の年度の過去問に「今は正しくない記述」が混ざる。解説を読むときは現行の手引きと突き合わせる習慣をつける
本サイトの模試は本番と同じ 120 問・章別出題数で構成し、章ごとの足切りも判定します。まずは一度通しで解いて、どの章が足切りラインに近いかを把握するところから始めてください。