結論: 第 3 章を軸に、周辺の章を「つなげて」覚える
登録販売者試験は 120 問中 40 問が第 3 章(主な医薬品とその作用)です。合格基準は総得点 7 割と章ごとの足切りなので、第 3 章で 30 問前後を取れると、残りの 4 章は各 14 問程度で合格ラインに届きます。逆に第 3 章が半分しか取れないと、他の章で 8 割以上が必要になり一気に苦しくなります。
そこで勉強の順番は、第 3 章を中心に据えて、他の章を第 3 章と関連づけながら進めるのが基本方針です。第 3 章の成分知識は、第 2 章(副作用の症状)・第 5 章(添付文書の「してはいけないこと」)と同じ内容を別の角度から問うものなので、まとめて覚えると 3 章分の得点に効きます。
おすすめの順番と各章の狙い
| 順番 | 章 | 狙い | 目安の配分 |
|---|---|---|---|
| 1 | 第 1 章 | 薬の基本用語・薬害の歴史・小児高齢者の注意。短期間で終わる導入 | 1 週間 |
| 2 | 第 2 章 | 臓器の働きと副作用の症状。第 3 章の「なぜ」を理解する土台 | 2 週間 |
| 3 | 第 3 章 | 成分→作用→副作用→してはいけないこと。最大の山場 | 5〜6 週間 |
| 4 | 第 5 章 | 添付文書・副作用救済制度。第 3 章の復習を兼ねる | 1〜2 週間 |
| 5 | 第 4 章 | 法規。改訂点が多いので新しい手引きで確実に | 2〜3 週間 |
第 1 章から順に始めるのは、第 1 章が薄く達成感を得やすいからです。ただし第 1 章で完璧を目指す必要はなく、薬害訴訟の年号や年齢区分など「暗記だけの論点」は後で戻ればよいと割り切ってください。
第 2 章は「胃酸はどこで分泌されるか」「間質性肺炎はどんな症状か」といった人体と副作用の話です。ここを飛ばして第 3 章に入ると、成分ごとの副作用が丸暗記になり定着しません。副作用の項目(皮膚粘膜眼症候群、偽アルドステロン症、無菌性髄膜炎、間質性肺炎など)は第 3 章と行き来しながら覚えるのが効率的です。
第 3 章の攻め方: 「1 成分 1 セット」で覚える
第 3 章は成分名の暗記が主戦場ですが、成分名だけ覚えても得点になりません。本試験は「成分・作用・副作用・使ってはいけない人」を組み合わせて正誤を問うので、1 つの成分につき次の 4 点を 1 セットで覚えます。
- どの薬効群に入り、何のために配合されているか(例: ブロモバレリル尿素 → 解熱鎮痛薬の鎮静成分)
- 主な副作用(例: グリチルリチン酸 → 偽アルドステロン症)
- してはいけないこと・相談すること(例: アスピリン → 15 歳未満は使用不可)
- 同じ働きの仲間(例: コデイン類はどれも依存性がある麻薬性鎮咳成分)
薬効群の順番は手引きの並び(かぜ薬 → 解熱鎮痛薬 → 眠気を促す薬 → … → 胃腸薬 → …)に沿うのが無難です。かぜ薬は解熱鎮痛・抗ヒスタミン・鎮咳・去痰の成分が全部入っている「総合問題」なので、最初に一度目を通し、各薬効群を終えるたびにかぜ薬へ戻ると復習になります。漢方と生薬は出題数のわりに範囲が広いので、頻出処方(葛根湯、小柴胡湯、麻黄湯など)と「カンゾウ・マオウ・ダイオウを含むか」に絞って後半に回します。
第 4 章は「後回し」にしても「放置」はしない
第 4 章(法規)は条文ベースの記述が多く、独学者が最も敬遠する章です。しかし令和 8 年 4 月の改訂で最も変わったのが第 4 章で、指定濫用防止医薬品(8 成分・数量制限・18 歳未満の制限)、特定要指導医薬品、特定販売の対象拡大、経口補水液の陳列など、新しい記述が多数入っています。改訂箇所は作問しやすく、古いテキストにはそもそも載っていません。
順番として最後に回すのは構いませんが、次の 2 点は必ず守ってください。
- 現行(令和 8 年 4 月)の手引きの記述で覚える。市販テキストの発行年月を確認し、古ければ改訂点だけでも厚労省の手引き本文で補う
- 試験の 3 週間前には第 4 章を一周しておく。法規は理解より暗記なので、直前 1 週間で詰め込んでも一定の点は取れるが、足切りを避けるには一度は通しで解いた経験が要る
仕上げは「模試 → 弱い章だけ戻る」の繰り返し
全章を一周したら、本番と同じ 120 問構成の模試を解きます。ここで見るべきは総得点ではなく章ごとの正答率です。足切りライン(3.5〜4 割)に近い章があれば、その章だけ手引きに戻って読み直し、再度模試を解きます。第 3 章が 6 割を切っているなら、成分の「1 セット」が崩れている薬効群を特定して重点的に復習してください。
過去問は都道府県ブロックごとに公開されていますが、改訂前の年度は「今は誤りになった記述」が混ざります。解説を鵜呑みにせず、現行の手引きと突き合わせる習慣が、改訂年の受験では特に効いてきます。